バリスタが教えるCafé英会話: Coffee Culture in Australia【前編】

バリスタが教えるCafé英会話: Coffee Culture in Australia【前編】



ようこそ、『独学する英語』へ


この記事は、

・ コーヒーの飲み方には自分なりのこだわりがあるので海外旅行先でも自分の好みをちゃんと伝えられるようになりたい 

・ コーヒーにこだわりはないけれど、とにかくカフェで英語でカッコよくコーヒーを注文したい

・ せっかく日本と違うコーヒー文化なら、海外に行ったらいろんなコーヒーにトライしたい

というあなたにおすすめです。


今回は、特にオーストラリアのコーヒー文化を例にとって、『オージー(オーストラリアのローカル)さながらにコーヒーをカスタマイズしてみよう』というテーマで、前半はカフェでのコーヒーのメニューの見方について、後半では、実際にコーヒーを注文してみるというところまで解説していきたいと思います。


オーストラリア・ブリスベン市街の一角。一見、そんなところにカフェなんてないのでは?と思うようなビル街の細い隙間に、John Mills Himselfというスタイリッシュなカフェが存在します。例えるならば、NYのブルックリン・スタイルに近い雰囲気。いわゆる、スペシャルティコーヒーを提供しているバー&カフェです。






では、まずは注文をする前にJohn Mills Himselfのメニューをじっくり見てみましょう。

※わかりやすいように、コーヒーにかかわるメニューのみを抜粋して構成しています。

コーヒーの飲み方の種類


さて、コーヒーの飲み方の種類ですが、正直、多すぎてキリがありません。欧米では、さまざまな理由からコーヒーを自由にカスタマイズしたいという人が多いという背景もその理由の一つです。

実際、文章だけで長々と説明されても読みづらいかと思います。コーヒーの飲み方の種類に関しては、まずは下の動画を観てから先を読み進めるとよりわかりやすくなると思います。


こちらの動画では、オーストラリアのバリスタさんが、さまざまなコーヒーの飲み方の種類についてとっても簡潔に、ユーモアたっぷりに解説してくれています。


Different Types of Coffee in Australia – (Magic? Flat White? Ristretto? Latte?)


本当に、What a great intro!としか言いようがありません。バリスタも納得の情報量で、動画自体もさほど長くないので(特にオーストラリアでの)いろいろなコーヒーの飲み方について知りたいという人にはとても有益な動画です。


コーヒーに関するメニューの見方とポイント


私はオーストラリアでバリスタとして働いていたので、オーストラリア(とニュージーランドにも当てはまる)コーヒー文化、そしてコーヒーに関する英語やすぐに使えて役に立つ表現など、さまざまな観点からこのJohn Mills HimselfのMenuについてお伝えしたいと思います。


さて、それでは今回の本題であるカフェでのメニューの見方について解説していきます♪

まずは、

flat white / latte / cappuccino 4.0, 4.5, 5.0

このカフェのメニューのレイアウトはかなりオシャレでミニマルな印象です。

4.5とは、つまりA$4.50ということを指しています。そして、この表記はおそらく、こちらのカフェではフラットホワイト、ラテ、カプチーノの値段は基本的にみな同じで、サイズが三種類ありますよ、ということでしょう。


v60 pour over (filter coffee) 6.5

日本にも、ここ10年くらいでエスプレッソ・マシーンを使ってエスプレッソを抽出するというタイプのカフェがだいぶ増えて一般的にも知られるようになりましたね。

それとは逆に、オーストラリアなどでは、ハンドドリップ方式で淹れたコーヒーの奥深さなどがバリスタやコーヒー好きを虜にし、今ではたいていのオシャレなカフェで頼むことができるようになりました。ただ、欧米ではハンドドリップではなく、Pour overと呼ばれ、厳密にはコーヒーの淹れ方も少し違うとされています。日本でハンドドリップコーヒーが好きで、特に浅煎りをブラックで飲むのが好きという人にはおすすめです。ただし、ハンドドリップでも深煎りの深みや苦みを求める人には、むしろロングブラックの方が良いかもしれません。

John Mills Himselfのメニューにもpour overがありますね。filter coffeeという表現も添えられています。HARIOのv60は欧米では非常に有名で、もはやpour overの代名詞となっています。ですので、カフェでハンドドリップ式のコーヒーがあるかどうか尋ねたい場合、


“Do you do v60 (here)?”


と訊くだけで通じてしまいます。HARIO(ハリオ)やKalita(カリタ)は欧米であってもバリスタであれば知らない人はいないのでご安心ください。(ただ、ハンドドリップに関わる珈琲のガジェットについては、向こうには出回っていない製品がまだまだ多いため、カフェによっては置いていなかったり、通じない場合もあります。)




chocolate

70% dark / dairy milk / white 4.5, 4.5, 5.0

mochaccino 5.0, 5.5, 6.0

ホットチョコレートを注文する場合、このようにカカオ濃度(チョコの種類)を選べるという場合があります。

Whiteはホワイトチョコレートのことです。

モカチーノは、省略してMochaと言われることがほとんどです。ここでは、ホットチョコレートは三種類のチョコレートから選べるということを示していますが、こちらから何も指定せずにモカを注文すれば、カフェの方がデフォルトのチョコレートを入れてくれる、というケースもあるでしょう。そして、Mochaが好きな人の中には、どこに行っても必ずwhite mochaを頼む、という人も一定数います。



feature coffee / extra shot / bonsoy / flavour +0.5

macadamia  milk +0.7

期間限定のコーヒー豆であったりその日にある特別なコーヒー豆を使ってコーヒーを作ってほしい、という場合は、feature coffeeとして50セント追加になるということですね。

エスプレッソがベースのコーヒーの場合、通常はLサイズだと2ショット(30ml X 2)のエスプレッソが入っている…などのデフォルトがありますが、カフェによってケースバイケースなこともあります。「今日は濃いめのコーヒーで目を覚ましたい」または、「このカフェのコーヒーを前に飲んだことがあって、自分にはエスプレッソのパンチがちょっと物足りなかったかな…」といった場合には、extra shotをお願いしてみましょう。

Bonsoyはオーストラリアの豆乳好きに知らない人はいない、絶対的人気を誇る豆乳飲料です。コーヒーは必ず豆乳入りで飲むというタイプのコーヒー好きの中には、初めてのカフェでも堂々と「Bonsoyある?Bonsoyじゃないなら豆乳以外でいいわ」ときっぱりと言う人がいるほど。


ただ、Bonsoyが豆乳オプションの代名詞になっているというだけで、オーストラリアには他にも美味しい豆乳がたくさんありますので、まずは

“What soy milk do you use?”(どの豆乳をつかっていますか?)

と遠慮なく訊いてみるか、または、そぅっとカウンターの中を覗いてチェックしてみましょう。ちなみに、すぐ下にはマカダミア・ミルクというさらに洒落たミルクのオプションも記載されていますね。

flavourは見ての通り、コーヒーに追加できるフレーバーのことです。このフレーバーは、カフェによりけりですが、たいていキャラメル・ヘーゼルナッツ・バニラをはじめとした数種類のフレーバーシロップがあり、砂糖をあとで自分で足す代わりに最初から甘めのコーヒーが好きという人にはおすすめだと言えます。


extra scoop of chocolate +1.0

追加の項目の中にあるので、これはモカなどの場合にチョコレートを1スプーン追加したい場合には+1ドルになりますよ、ということですね。


bunker keepcup / minus shot -0.5

byo cup -0.2

Bunker KeepCupって何?
KeepCupはオーストラリアでは特に有名なリユーザブルカップのブランドです。John Mills Himselfは、同じくブリスベン市内にある素敵なコーヒー屋さん、bunkerのロゴが入った再利用可能なリユーザブルカップを店頭で販売しているため、通常のBYO cup (bring your own cup = カップ持参)だと20セントの割引になるのに対して、カフェで販売しているリユーザブルカップだと50セントの割引になるということですね。




オーストラリアでは、もっぱらKeepCupFrank Greenのリユーザブルカップが主流ですが、他にも、陶製でフタ付きのリユーザブルカップなども人気です。


minus shotとは?

例えば、「今日はお腹の調子がそんなに良くないので薄めのコーヒーが飲みたい…」「コーヒーは好きだけどミルクたっぷりでエスプレッソは少なめに…」という人は、-1ショットでお願いするとこちらのカフェではその分50セントの割引になります。

※たいていのカフェはエスプレッソの量に関してのデフォルトがあり、少なめ・薄めでお願いしても金額がそのままになることが多いのでご注意を。(つまり、エスプレッソの量が減っても、その分、ミルクが多めに入っていることになるため金額は変わりませんよ、ということですね。)


milk 55°c-60°c / long black or mach 60°c-70°c / hotter by request

Specialty coffeeのカフェでは、メニューの最後にこのように表記されていることは決して珍しくありません。エスプレッソをベースとして、それにスチームしたミルクを加えているフラットホワイト、ラテ、カプチーノなどは、だいたい60~65℃でお客様に提供するべきであるとされています。

実際のところ一般的なカフェでは、65℃前後であったり、時には65℃以上でも提供されることはあるのですが、こだわりの強い珈琲屋さんでは、ミルクベースのコーヒーにとってベストである60℃という温度で提供されることがしばしば。ただ、口当たりがまろやかで舌にも優しく柔らかく感じられるために、それがぬるいと感じてイヤだという人や、テイクアウトするので少しだけ温度を高めに作ってほしい、という人は気兼ねなくリクエストすることができるようになっています。


ちなみに、machはmacchiatoの略ですね。


例えば、

“To ensure our coffee tastes the best, we serve our milk based coffee at 60℃. If you would like your coffee hotter than our standard, please let us know. We appreciate your help!”

“当店では、コーヒーをより美味しく召し上がっていただくために、ミルクベースのコーヒーは60℃で提供しています。もし、標準よりも熱いコーヒーをお望みでしたらお申しつけください。ご協力ありがとうございます。”

といったように、カフェのメニューや注文カウンターにわかりやすく表記されている場合もあります。



Can you guess what coffee they want…?


さて。John Mills Himselfのメニューからはいったん離れて、現地の人が実際にはどのようにカフェでコーヒーを注文しているのか、ここでいくつか例を挙げてみたいと思います。

さあ、それぞれどんなコーヒーを注文しているのかわかりますか?


1. Medium skinny cap 

2. Strong flat with an Equal

3. 3/4 strength latte with two on Zymil 




現地ではそれぞれがコーヒーの飲み方を詳しく指定して頼むことが普通であり、さらに、オージーは何でも省略してリズムよく言うことが好きなので、自然とこんな風に暗号のようになってしまうのです。


上記のコーヒーがいったいどんなコーヒーの飲み方を意味するのか、それはまた【後編】で詳しく説明しますので、どうぞお楽しみに♪